3/27〜31に開催したORAe展示会で発表した「The Carbon Stock Table」
このテーブル制作の依頼主である秋田プライウッドの会議室に納品が完了したので撮影してきました。秋田プライウッドは、建築における構造用合板を軸として木工内装材を全国に向けて製造する企業で、森林資源を大量に使う企業として、常に地球環境にどう貢献できるかにチャレンジしています。そうした姿勢を受けて、今回提案したテーブルは、工場を見学した際に目にした最終工程である燃料に戻る寸前の材料(規格サイズにカットされたみみの部分)でした。
二酸化炭素に戻る寸前の材料を拾い集めて、地球環境に対してギリギリまでカーボンストックさせる家具を作ってみませんか?という問いに、依頼者である秋田プライウッドと、極めて安定的でない素材を敢えてプロダクトとして完成させる困難なチャレンジにORAeの中核的メンバーである萩原製作所が答えてくれました。
これは地球規模で考えると恐ろしく些細なチャレンジかもしれませんが、こうしたメッセージに対する理解と共感こそが、この複雑化を極め多くの課題を抱えた社会に、少なからずの光を当てることができるのではないかと願っています。
依頼者:秋田プライウッド株式会社
基本設計:有限会社r-homeworks
実施設計/制作:有限会社萩原製作所
構造用合板として普段は仕上げの裏方として隠れてしまうマテリアルですが、既成概念を取り払うと美しい表情を発見できます
秋田木工のポップなイメージのMAGEKKOでコーディネイト。
デザインとは、ヒトの既成概念や先入観を疑い、そのモノが持つ価値を見極めていく仕事。
曲木の椅子と集積材のテーブルのコントラストが絶妙に美しい表情を生み出した。
天板の裏面は断裁される前の工場で重ねられた表情の記憶を保存している。
燃料チップになる寸前のみみを家具材として再生する究極のカーボンストックに挑戦した。
秋田木工のMAGEKKOとのコラボレーション。
燃料チップになる寸前のみみを拾い集める。
規格サイズに断裁される前の状態。
規格サイズに断裁された通称みみの部分は、ベルトコンベアーの先の粉砕機で燃料チップになる。
構造用合板の製造工程。一枚一枚が丁寧に重ねられていく。