昨年に引き続き、農林中央金庫が毎年各地の森林組合と協力して国産材利用拡大活動の一環として、公共施設等に国産材を利用した木製品を寄与するプロジェクトに、ORAeアキタファニチャーが製品制作を行いました。
今回の寄贈先である「あきた芸術劇場ミルハス」からの依頼内容は、館内の「案内誘導掲示板」。その回答として提示したのは、

『掲示板というと、機能のみに特化した何の変哲もないただの四角い板を想像するかもしれない。特に公共の場で情報機能を求められるプロダクトは、往々にしてその機能面が重視されすぎる傾向にあり、置かれる空間に対してその存在が違和感を生み出してきた。ミルハスへ置かれる誘導掲示板は、機能と空間の関係性を配慮することが必須である視点から提案を進めた。
掲示板に「森」という存在を象徴化したフォルムを与えることで、空間に点在する掲示板がその空間に訪れた利用者に対して、あたかも自然の「森」を想起させるであろうデザインを考えた。時と共に掲示板という存在が増殖していくことで、空間への違和感が拡張していくのではなく、そこに「森」の景観が広がっていくことを願った提案である。』

この尖った提案に共感とご理解いただいた関係者のみなさまのお力添えによって、ただの掲示板という機能に、新たな物語をを埋め込んだ実験的なプロダクトを生み出すことができました。果たしてこの実験的な「森」が、この後のミルハスの空間にに広がっていくのか？その成長を観察していきたいと思います。

製材：本庄由利森林組合
材料乾燥：藤島木材工業
提案：r-homeworks／萩原製作所
制作：木工興真