3月に開催したORAe展示会では、秋田公立美術大学のものづくりデザイン専攻の3年生5名がORAeへの製品開発に取り組みました。そのうちのひとり藤原未弥さんが提案する「香りのバングル」の制作を担当してもらったORAeメンバーの杉山孝史氏の工房に伺いました。(昨年12/4)
神奈川県厚木市出身で、趣味で始めた木工家具の製作に専念するために1990年に秋田県の三種町に「家具工房・杢」を創立されたそうで、ORAeが掲げる「森と木の国アキタから、木に囲まれた心豊かな暮らしをお届けします」をそのまま地で行くまさに森の木に囲まれた素敵な工房でした。
まさしく三種町の森の中の工房です。向かって左側がお住まいで、右側に工房が建っています。外壁の木がとても温かな風合いを醸し出しています。
工房の中は手入れの行き届いた機械や道具が整然と配置されていて、杉山さんのこだわりや人柄を肌で感じることができます。
機械部品メーカーに勤められていたバックグランドから独自に工夫された治具設計によって、まるで魔法のように木が削られていきます。
見事なハンドメイドによる量産。完成した香りのバングルは、コンマ数ミリの誤差もなく卓越した技術を目の当たりにしてため息が出るばかりです。
いくつかの作品も見せていただきました。その作品一つ一つからも杉山さんの温かな人柄が滲み出ていて、杉山さんが創り出すオンリーワンのフォルムと機能と肌合いのどれもがバランスよく調和していて、とても魅力的でした。一緒に見学した3年生の藤原さんは、杉山さんのプロの技と心がこもった円卓を、アルバイトで貯めたお金を叩いて購入することを決めたようです。学生にとってはとても高価ではありますが、身近にお手本を置いておきたいとのことで、作り手を目指す意識が強く芽生えたようです。
奥様もとても素敵な方でした。杉山さんご夫妻の工房から作り出される家具一つ一つには温かな心が宿り、人の暮らしに優しく寄り添い一生を共にできる家具が生まれるのだと実感したとても充実した訪問でした。
工房紹介 → https://orae.jp/factory/kagukoubou-moku/
香りのバングル → https://orae.jp/product/bangle/